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モンテへ向かう

フンシャルの北方800m程の高さの山にモンテという村があって、モンテには島の守護聖人である聖母が祀られている教会が建っています。モンテの高台からはフンシャルの入り江や町を一望でき素晴らしい景観を楽しめます。そしてマデイラ名物の籠ソリのトボガン下りもモンテがスタート地点なんですよ。

モンテには何度も上りました。大抵は一番スムーズに行けるロープウェイを利用しましたが、2度バスで行ったことがあるのですよ。1度目はフンシャルの市街地を巡って港へと向かう途中で見かけたバス停に丁度モンテ行きのバスが停まっていたので乗り込んだのでした。25分程で到着しましたが、途中の蛇行する山道は狭く、2台車が並んでいると幅はスレスレで、しかも窓の外を見ると、下の地面には申し訳程度に低い低い柵のようなものがありましたが、その直ぐ脇は崖になっていて冷や汗ものでした。カーブ直前で向かい側からバスが下りてきた時はバスは少し後退しなければならず、後方の道は崖へとギリギリのはずでした(汗)バスの運転手はしょっちゅう同じ道を往復し慣れてるのでしょうけど。マデイラ島に限らずギリシャやスペインの島でも狭い山道を通るバスに乗ったことが何度もありましたが、これは不可能だと思えるような道でも通り抜けて行く運転手達の凄腕には感服しますね。

2度目にモンテ行きのバスに乗ったのはホテルの近くの停留所からでした。そこから行くバスは違うルートでモンテに向かいます。気楽に乗ったものの、そのバスは大回りして行くバスだと気づいたのは後の祭りでした。山を上ってモンテへの分岐道に近づいたかと思ったらそこを通り過ぎてフンシャルの町まで下って行くのですよね。そしてまた上ったと思ったらまた下るを繰り返し、これはモンテに向かうのだろうかと不安になって2度運転手に聞きましたよ(笑)結局50分程かけてモンテにたどり着きました。これに懲りて、ちょっと料金は高くつきますが、それからはモンテへとロープウェイを利用しました。

バスの中

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バスを降りてモンテの教会へと向かうところ。
向こう側に見えている所にバスの停留所があります。
小さく見えてるバスに乗ってきたのですが、下って行くところです。

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途中でお土産屋さんがありました。

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途中で見かけた小さなチャペル。

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Capela do Largo da Fonte
泉広場のチャペルというような名前がついているようです。
何か謂れのある泉なんでしょうが、検索してみても、
ポルトガル語の説明しか見つからないので分かりません。
ルルドの泉に似たような伝説があるのかしら。

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聖母マリアの絵も飾られ、泉の水が流れ出る水道もあります。

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モンテの教会へとえっちらおっちらと階段を上って行きます。
この舗装の仕方は数百年前からあるマデイラの伝統なのですよ。
今でもこれ専門の職人さんがいるのです。

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教会は鼻の先です。
ここからの眺めもいいのです。

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更に上ると、教会へのラストの階段が待っています。
ここで記念撮影する人は多いです。

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ここの脇に亡命でフンシャルやモンテで暮らしていたオーストリアの最後の皇帝カール1世の像が立っていました。彼は1921年にマデイラ島に亡命していましたが、翌年35歳の若さで早逝され、モンテの教会にカール1世が永眠している棺が安置されてます。他にもロシアといい、中国といい、ラストエンペラーというのは悲劇的ですね。3人とも皇帝という重荷を受けとめるのには線が細いようで、穏やかそうな似たようなタイプというところも切ないですね。カール1世は島民にも慕われるような優しい性格で信仰に篤い人だったらしく、2003年には時の教皇ヨハネパウロ2世によって列福(カトリック教会において徳と聖性が認められ聖人に次ぐ福者の地位に上げられること)されてますね。20世紀の国家元首として福者に認定された最初の人物だったそうです。でも亡骸のオーストリアへの帰還は許されていないのですよね。

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ここの高台からの町並みの眺め、なんだか見覚えがあったのですよね。
マデイラ島に行く数ヶ月前に夢の中で見たような覚えがありました。

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階段を上ってきて疲れたのでしょうか(笑)
いや、モンテの教会の下、高台の風が心地良くて、
青空を眺めながら味わっていたのでしょうね。

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by sternenlied2 | 2017-03-09 00:52 | 旅(国外)

木陰のアムゼル3号庵にようこそ。長年ドイツで暮らしています。日常や旅の中で出会ったものたちに感謝を込めて。


by sternenlied2